~岩手の農家三代目の思い~
自分が子供の頃、夏休みと言えば実家の家業である農作業の手伝いでした。
同級生の絵日記には、海やプール、遊園地に行ったなど、楽しそうな思い出が描かれていましたが、自分には、特別な出来事がなく、他の子たちがうらやましかったのを覚えています。
子どもの頃の憧れと言ったら、スポーツ選手、警察官、消防士、医者・・・。
みんなキラキラしていて、どんな仕事なのか想像できる夢の職業でした。
そんな人気の職業も、実は見えないところで、とてつもない苦労や努力があるのでしょう。
しかし、子供のころに描いた「夢」のためなら、頑張れてしまうのです。耐えられるのです。
『農業』は、「仕事がつらい」、「過酷」などハードな所ばかりが取り上げられ、
いわゆる『3K』と言われ、人気とはほど遠い職業になってしまいました。
家業が農家でなかったら、『農業』という職業を選んだか・・・。
自分はたぶん選んでいないかもしれません。
そんな私も歳を重ね、今、農業の素晴らしさがやっとわかってきたところです。
種から芽が出た時の感動、収穫の喜び。
美味しかったよ!また買いに来たよ!と言われる事。 日々の作業の達成感。 農業の無限に広がる可能性。 |
こんなおもしろい仕事はない!って思えてきたんです。
もちろん、“農家の息子と言う使命感”もあります。
『農業』の魅力に気が付くには、時間と覚悟が必要だと感じています。
また、『農業』に無縁な人だったら、なおさらのことだと思います。
『農業』を、夢のある人気の職業にしたい!
こどもたちが「将来の夢は?」と聞かれたときに、
まっさきに「農業!」といってもらえるように。
大学生が就職先に農業を選んでも、
周りの人たちから変わり者だと言われないように。
『農業』を志す事に、プライドがもてるように。
農場で働く人々が、豊かで幸せになるように。
そんな『農業』の新しい価値をこの場所でみんなと創っていきたい。
そして、ここ北東北岩手から発信していきたいと思います。
3代目 三浦大樹